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特に得意としている疾患

SPECILITY

リンパ浮腫

リンパ浮腫の治療

目次

圧迫療法と外科治療

リンパ浮腫は慢性の疾患であり、浮腫をコントロールすることが大切です。圧迫療法(保存治療)と外科治療を組み合わせることで、より高い治療効果が期待できます。

圧迫療法とは

圧迫療法は、弾性包帯や弾性ストッキング・スリーブ・グローブなどの弾性着衣によって腕や脚を圧迫する治療になります。むくみとは、細胞や組織間にある間質液が過剰になった状態であり、圧迫によって毛細血管から漏出する間質液を減らし、静脈還流を増やす効果が期待されます。しかし圧迫が強すぎると細胞に必要な酸素や栄養が不足してしまうため、適度な圧迫力を心がける必要があります。

手術療法とは

体表のリンパ液は、下肢であれば鼠径リンパ節、上肢であれば腋窩リンパ節が入口となり深部に流れ心臓の傍まで運ばれると静脈に合流し血液循環に取り込まれます。
癌治療に伴うリンパ郭清によりリンパの通り道が障害されることで、障害部位の下流域ではリンパ液が滞りリンパ浮腫となります。
リンパ循環を改善させる手術には以下の2つの方法があります。

リンパ管静脈吻合術

リンパ管静脈吻合術は、顕微鏡下にリンパ管と静脈を吻合し、四肢の中でリンパ液を血液循環に戻すためのバイパスを造る方法です。この方法は、体への負担が少なく手術翌日から動くことができます。
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リンパ移植術

リンパ浮腫の状態が継続すると、機能を持ったリンパ管の数は減り、リンパ管静脈吻合術を行う事ができなくなります。機能したリンパ管を失った重症リンパ浮腫がリンパ移植術の適応になります。リンパ移植術は、リンパ管とリンパ節を含めたリンパ組織を移植し新たなリンパ循環を再建する手術です。リンパ組織は、顎下部、鎖骨上部、外側胸部、鼠径部などから採取します。

【参考文献】

  • Yamashita S, et al.: Microsurgical Procedures: Lymphovenous anastomosis Techniques.In Cheng MH, et al. (eds). Principles and Practice of Lymphedema Surgery. Amsterdam: Elsevier, 2015:173-179.
  • 山下 修二,他. 下肢リンパ浮腫に対するリンパ移植術. 形成外科:59(8);841-846,2016.