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特に得意としている疾患

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特に得意としている疾患

血管腫・血管奇形について

目次

血管腫・血管奇形とは

血管腫・血管奇形などの血管の病気については、はっきりとした原因が不明のものが多く、古くから色々な名前で呼ばれます。古くは血管腫と呼ばれていた病気が、最近では血管奇形と呼ばれていたりすることもあります。

心臓から拍出された血液は動脈に送りこまれます。動脈は枝分かれを繰り返し、体の隅々までいたると血管は毛細血管とよばれる非常に細い血管になります。毛細血管の中を通った血液は静脈を通って心臓へ帰っていきます。

動脈、毛細血管、静脈は、どれも血液を運ぶ管ですが、少しずつ異なった性質を持っています。心臓の強い血流をうける動脈の壁は厚く丈夫であるのに対して、酸素や栄養を血管外へ積み下ろす場所である毛細血管の壁は非常に薄くなっています。静脈の壁も動脈に比較すると、薄くできています。
動脈、毛細血管、静脈、いずれも管状の構造をしており、内側を血管内皮、外側を血管壁とよびます(下図)。特に血管内皮は血管内皮細胞とよばれる「細胞」が隙間なく並び、血管の内張りを形づくっています。右の図は血管の内側から撮影した電子顕微鏡写真ですが、細長い「細胞」が隙間なくならんでいるのがわかります。

血管腫・血管奇形の原因はさまざまで、まだ明らかになっていない部分も多くありますが、少なくとも一部はこの「血管内皮細胞」に異常があるためにおこるということがわかっています。

当科では、血管腫・血管奇形の専門外来において特に難治となることの多い、以下の病態に対して専門的な加療を行っています。

小児の血管腫

いちご状血管腫は生後間もなく、生まれたての赤ちゃんにできることが多い血管腫です。
生まれたときにできていることもあります。体中どこにでもできる可能性があります。

典型的には、生後間もなく皮膚表面に赤い斑点ができ、やがて盛り上がり始めます。生後半年くらいまでの間に表面が光がかった「いちご状」とよばれる状態になりますが、その後は大きくなることなく、むしろ自然に色が落ちていくようになります。多くの場合、小学校低学年くらいまでの間に赤みがひいていきます。

完全に周囲の皮膚と見分けがつかないくらいきれいになおることもありますが、皮膚の質感に異常が残ったり(ざらざらした感じ)、赤みや茶色みが残ったりすることがあります。

その他、自然に消退する傾向のない小児の血管腫もあります。

当科では、自然に消退する血管腫・消退することのない血管腫を見極めた上で治療のタイミングを含めて、整容的・機能的な観点から患児毎に、最良と考えられる手術的治療を検討します。

毛細血管奇形(単純性血管腫)

毛細血管奇形(単純性血管腫)は、毛細血管レベルで血管に異常がある病態です。通常は、毛細血管レベルで血管が異常に増えているものを指します。

皮膚などの体の浅い部分にできると「赤あざ」となります。皮下脂肪や筋肉にできて、ふくらんだ「できもの」となり、形の異常となることもあります。

部位や大きさなどによって経過はさまざまですが、基本的にはゆっくりとした速さで病気が進んでいきます。(赤あざが濃くなったり、できものが大きくなったりしていきます。)
当科では、主に手術的治療が最善の治療となる患者さんに対して治療を担当します。

静脈奇形(海綿状血管腫)

静脈奇形(海綿状血管腫)は、静脈レベルで血管に異常がある病気の状態です。静脈には太いものから細いものまで様々ですので、病気の状態も様々です。皮膚のすぐ浅いところにあるものから、筋肉内に入り込むものもあります。静脈は本来左の図のように管状をしておりますが、静脈奇形の部位では下図のように「とぐろ」をまいているような状態になっています。

さらに、大きな静脈奇形においては複数の静脈が絡み合い、図のように内部がスポンジのような構造になっていたりします。スポンジ部分は大きな部屋でできている部分や小さな部屋でできている部分、血管壁や周囲の組織ばかり厚くなっている部分があります。

経過や、治療の必要性は部位や程度によってさまざまです。からだの浅い部分にある場合には、見た目が問題になります。特に大きいものや、筋肉の内部にできた場合には、痛みの原因になることがあります。

治療方法も部位や大きさによって変わってきますが、当科では主に手術的な切除術、必要に応じて切除に伴って失われる組織の再建手術を中心に治療を行っているほか、現在は硬化剤と呼ばれる薬剤を病変内に注入して、病変の縮小をはかる硬化療法の治験の分担施設として参画しています。

動静脈奇形

動静脈奇形は、動脈レベルから、静脈レベルにかけて異常がある病気の状態です。血流が動脈から毛細血管を通ることなく(細い通路を通ることなく)静脈に抜けてしまうことによって、できもの自体の血流が非常に速い状態になっていることが多くあります。

動脈と静脈が直接つながっていることを「短絡する」というようにいいます。つながっている場所を「動静脈シャント」とよびます。

小さな病変の場合には、単純な切除を行うことが可能ですが、大きな病変では切除とともに失われる組織の整容的・機能的な再建術が不可欠になります。
当科では、患者さんの実生活、症状、将来的な病変の進展可能性などを考慮の上、治療的介入のタイミング、方法を検討し専門的治療を行っております。