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形成外科・美容外科で扱う疾患

DISEASE

けが・やけど・きずあと・ケロイド

ケロイド・肥厚性瘢痕について

目次

ケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)とは、違いについて

手術や外傷、熱傷後の傷が赤く盛り上がった状態となったものは、ケロイドもしくは肥厚性瘢痕と呼ばれます。もとの傷の範囲を超えて拡大する場合にケロイドと診断されますが、肥厚性瘢痕との区別は明確ではありません。ケロイドは、前胸部・肩・上腕部、恥骨部、耳介部などに生じやすく、一般的に難治性とされています。近年では、腹腔鏡手術・ロボット手術の創がケロイド化する患者さんが増加しています。

ケロイド・肥厚性瘢痕の治療

ケロイドや肥厚性瘢痕には、保存的治療法と外科的な治療法があります。

保存的治療法

  • テープやシリコンゲルシートによる圧迫療法
  • ステロイドテープによる外用療法
  • ステロイド剤の局注療法
  • 抗アレルギー剤の内服療法

いずれの治療法も臨床的には効果が認められることが多いのですが、現状では保存的治療法のみでケロイドを完治させられることは稀です。また治療・通院期間も数か月~数年にわたることが多く、患者さんの負担が大きくなるという問題点もあります。

外科的治療法

ケロイド切除+術後放射線(電子線)照射
かつてケロイドに対してメスを加えることは、「病変を拡大させる」あるいは「必ず再発する」などと言われ、禁忌とされてきました。しかし、近年では切除術と術後放射線照射を組み合わせることにより、再発率を低減し、ケロイドを完治させられるようになっており、当科でも積極的に本治療法を行っております。
具体的には、ケロイドを切除後、形成外科的手技により縫合、拘縮がある場合にはZ形成術を追加で行い、拘縮を解除します。術当日から3~4日間の電子線照射を患部に行います。
電子線は放射線の一種で、ケロイドの原因となる線維芽細胞の増殖を抑制することにより、ケロイドの再発を予防します。電子線の効果は皮膚縫合部付近の浅い部分に限定され、深部の内臓や骨には影響がありません。短期間で治療を完遂でき、再発率も低く抑えられることから、患者さんの満足度も非常に高い治療法となっております。
小さいケロイドに対しては、入院することなく外来通院・局所麻酔手術(治療は3日間程度)で治療を行うことが可能です。当院では約半数の方は、外来での治療を選択されています。